機械業界専門
機械M&A総合センター
製造・産業機械・FA・部品加工の承継相談
機械会社の企業価値・売却価格の考え方。
利益に加え、受注残、設備、図面、技術者、保守責任を確認し、譲渡後も続く収益を整理します。一律の利益倍率や設備簿価だけで価格を決めず、譲渡対象と引継ぎ条件を揃えて検討します。

企業価値と、株主が受け取る代金を区別します。
事業が生む価値を示す企業価値(EV)と、株主に帰属する株式価値は同じとは限りません。EVを基準に株式価値を検討する際は、現預金、有利子負債、事業に使わない資産等をどの範囲で調整するかを確認します。
基準日、必要な運転資金、借入やリースの扱いを揃えないと、同じ提示額でも条件が変わります。最終的な譲渡価格は、調査結果、譲渡範囲、支払方法等を踏まえて交渉します。株主の手取りは、税金や別途負担する費用等も確認して判断します。
評価方法も案件によって異なります。中小M&Aガイドライン(第3版)を参考に、純資産、収益、類似会社との比較等から適切な方法を検討します。機械業界全体に固定倍率を当てはめた金額を、成約価格として約束するものではありません。
受注残は、確度・検収・採算まで確認します。
受注残の総額だけでは、将来の利益は分かりません。確定注文と内示・見込み案件を分け、取消・変更条件、納期、検収条件、入金予定を一覧にします。前受金を受け取っていても、完成・据付・検収までに残る支出を確認します。
案件別に材料費、外注費、工数、追加設計、据付・試運転、保証対応の見込みを整理します。仕様変更分が請求できるか、長期滞留する仕掛品や採算の悪い受注がないかも確認してください。受注高と売上計上、現金回収を分けることで、必要な運転資金も見えやすくなります。
一時的な大型案件や補助金、役員報酬の調整等が利益に与える影響も説明します。調整理由と根拠資料を残し、帳簿上の利益を都合よく増やさず、譲渡後に再現できる収益を買い手と確認します。
設備の所有者と、使い続ける条件を確かめます。
自社所有、リース、レンタル、客先から預かった金型・治具を区別します。工場内にあるものがすべて売却対象とは限りません。所有権、担保、契約期間、移設や名義変更の条件を設備台帳と契約書で照合します。
年式と簿価だけでなく、精度、稼働状況、修理履歴、部品供給、更新投資、代替工程を確認します。設備を使って生む収益に価値を織り込んだ後、同じ設備価値を重ねて加算しないよう、評価方法の前提を揃えます。
CADデータ、図面、NCプログラム、制御ソフトは、保有していることと移転・利用できることを分けて考えます。顧客の権利、利用許諾、改訂履歴、バックアップ、操作担当者を確認し、引き継げる技術と必要な承諾を整理します。
顧客・技術者・保守の継続性を見ます。
主要顧客との取引
売上上位先への集中、品番別の継続性、価格改定、契約の変更通知・承諾条項を確認します。リピート実績があっても、将来の発注を保証する契約とは区別します。
技術者と品質の再現性
工場長、設計者、熟練工が担当する工程、後任、教育記録、検査基準を整理します。本人の意向を確認せずに継続勤務を前提とせず、引継ぎ期間と体制を検討します。
保守・保証の負担
保守契約は継続収益と同時に、人員・部品・出張等の負担も伴います。保証期間、未完了修理、クレーム、無償改修、供給部品の確保を収益計画と合わせて確認します。
概算診断に役立つ6つの資料。
すべて揃っていなくても相談できます。原本を探す前に、分かる内容と未確認事項を分けてください。顧客名や図面等を含む資料の共有範囲は、事前に相談して決めます。
| 財務・資金 | 直近3期の決算、月次推移、借入・現預金、臨時損益。継続利益と資金需要を確認します。 |
|---|---|
| 受注・仕掛品 | 確定注文と内示、案件別採算、進捗、検収・入金条件、前受金。残工数と完成までの支出を整理します。 |
| 設備・不動産 | 設備台帳、所有・リース・預かり品の区分、保守履歴、更新計画、工場の所有・賃貸借条件。 |
| 顧客・契約 | 顧客別売上、基本契約、価格改定、変更承諾・通知条項、保守・保証の範囲。 |
| 人材・品質 | 組織図、技能と資格、後任・教育計画、検査成績、不良・クレーム記録。属人化と承継体制を確認します。 |
| 図面・知財 | 図面台帳、ソフトの利用契約、権利者、改訂履歴、顧客との守秘条件。開示・移転できる範囲を整理します。 |
株式譲渡と事業譲渡で、価格の対象が変わります。
株式譲渡は会社の株式を対象とし、通常は契約当事者である法人が続きます。事業譲渡は譲渡する資産・契約等を特定するため、工場や設備、受注案件、人員をどこまで含めるかで価格と必要な手続が変わります。
株式譲渡でも支配権変更条項や借入保証等を確認します。事業譲渡では相手方の承諾、労働契約、許認可等の個別手続を確認し、当然にすべて移るとは扱いません。残す資産や債務、税務負担、運営の継続性を専門家と確認して比較してください。段取りは機械M&Aの進め方で紹介しています。
相談では、金額の前提と準備の優先順位を整理します。
初回は業態、地域、売上・利益のおおまかな規模、主な設備、譲渡したい範囲から整理できます。工場不動産を残したい、雇用を守りたい、売却時期は未定といった希望もお伝えください。
確認後は、評価に影響する未確認事項、追加資料、候補先の方向性、引継ぎの条件を整理します。売り手向け相談フォームには分かる範囲をご入力ください。顧客名、図面、個人情報を最初から詳しく記載する必要はありません。支援の全体像は機械M&A総合センター、譲渡条件は機械会社の売却相談をご覧ください。